岡山理科大学 教育学部

教員インタビュー教員インタビュー

インタビュー15 山下 浩之

 山下先生は、小学校の理科の先生として、児童たちがどうすれば楽しく理科を学習できるのかを常に探究して来られました。例えば解剖実習では画用紙を工作してイカのドライモデルを作ることから始め、「気持ち悪い!」という児童の反応を和らげたり、ヒトの骨格と筋肉を理解するために割り箸とタコ糸で模型を作ったり・・・。そんな先生に、理科教育への思いを語って頂きました。

山下 浩之山下 浩之

兵庫教育大学大学院 修士課程 修了 修士(学校教育学)
専門は理科教育。
福岡市内の公立小学校において理科専科教諭を務めつつ、平成10年より二年間、 兵庫教育大学大学院にて研究に従事。
平成25年に日本生物教育学会「下泉賞」授賞、26年に環境省自然環境局「自然歩道関係功労者」表彰。
平成28年4月より、教育学部初等教育学科専任講師。

教師は楽しんで授業をしているか?

 小学校6年生の児童に、理科の授業の後、こんな風に尋ねられたことがあります。
   「先生、理科を教えていて楽しいですか?」
(いかん、もしかしたら楽しそうに教えてなかったのか?)すかさず
   「え?つまらなさそうに教えていた?」  すると児童はこう言いました。
   「いいえ、先生はいつも楽しそうなのでそうなのかなあと思って・・・。」
(いつになくほっと安心する。しかし・・・児童は見ている。教師が発している小さな表情を。)

教師は適切に児童と向き合えているか?

 児童は授業が終わると様々な質問を浴びせかけてきます。しまいには授業に関係ない質問まで。まるで記者会見です。
   「ナメクジはどうしてカタツムリのように殻がないんですか?」
   「導線に電流を流すと、方位磁針の針が動くのはどうしてなんですか?」
   「水は透明なのに海はどうして青いんですか?」
 全て答えることが必ずしも教育的といえないので答える必要はないが、質問に背を向ける態度もまた教育的ではない。でもそんなときも・・・児童は見ている。教師のバックグラウンドを。

小学校で理科をきちんと教えることの重要性

 理科離れと言われて久しいですが、それでも「平成24年度全国学力・学力状況調査」によると小学生6年生の82%は理科を好きだと回答しています。なんとか児童の期待に真摯に応えることができないものか?
 まずは、教師自身が実験を楽しめるようでなくてはなりません。理科では観察実験は知識を生み出すための重要な手段です。もちろん原動力は知的好奇心です。強烈な知的好奇心と行動力があれば、体験を通して自然科学の原理の理解は進んでいくでしょう。身の回りの現象の原理の理解が深まれば、児童の納得と感動を引き出すことになるはずです。
 小学校の教師は、児童が「理科」の扉を開く時の最初の案内人になります。児童に理科の楽しい世界を味わってもらうためには教師自身が理科を楽しめると言うことが大前提になります。児童が中等教育や高等教育に進む時、何より小学校での理科学習が大きく影響することは言うまでもありません。感性が最もみずみずしい小学校期に理科を楽しむことができる教師に出会ったならば、年齢を経てもその教師の指導は大きく影響するに違いありません。ノーベル賞受賞者の方々のエピソードの中で小学校時代をよく耳にするのはそのいい例でしょう。そしてこれは小学校の教師だけにしかできない仕事でもあります。

全教科に隙のない教師を目指して

  小学校では1年生から6年生までの全ての教科が指導できなくてはなりませんが、その中には指導が得意ではない教科があって当然です。理科が苦手な先生もいるでしょう。でも、これを読む皆さんが大学4年間で、体験を通して基礎から学ぶ科学の知識は、きっと児童を楽しい理科の世界に誘ってくれると信じています。
 小学校の理科学習は物理・化学・生物・地学といった幅広い領域にまたがっています。基礎的な知識を身につけ、かつ最先端の科学の動向にも気を配り、さらに児童の理解を促すための学習方法や教材開発の独創的なアイディアを兼ね備えた教師を目指したいものです。幸い岡山理科大学では理学部や工学部等で最先端の自然科学を扱っており、常に新しい情報が入手できる環境にあります。
 科学はこれまでに何万人という研究者が積み上げてきた知識とテクニック、そして思考法の上に成り立っています。大学ではそれに自分も参加しているという実感をもって自然科学に接し、手法を身につけて、自分が関わった自然科学の一端をプレゼンテーションできる能力も身につけてほしいと考えています。教育実践者は教育研究者でもあるべきです。児童は見ています。理科を教えているそんな先生の姿を。
 皆さんには、児童にとっての科学の楽しい世界への案内人になってほしい・・・。岡山理科大学教育学部で待ってます。

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